新型コロナとバカの壁

今日の資産。
大きく変わりませんが、毎日20万円ずつドルコスト平均法で現金を投資信託に移動中です。
以前はもっと投信の割合が大きかったのですが、コロナショックで一度精算してしまったんですよね。
まさかこんなに早く株式市場が回復するなんて、誰が想像できたでしょう…泣
 

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今日は、サラリーマン法人とはちょっと違った内容を考えてみたいと思います。
皆さんは養老孟司バカの壁は読まれたでしょうか。
 

 

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

 

 

 
東京大学解剖学の教授をされている氏のベストセラーで400万部以上売れているそうです。
すごいですね。
 
皆さんもないですか?
これ以上ないくらいに噛み砕いて話しているのに全然話が噛み合わないということ。
いや、むしろお前が説明してほしい、っていうから説明してるのに本当に聞く気あるの?ってツッコミたくなること、ありますよね?
 
こういう話が全く噛み合わない人、本書では「馬鹿」と呼ばれる人はなぜ存在するのか。
それについて丁寧に科学的知見を交えて説明された名著です。
 
もちろん本書は頭の悪い人をディスる内容ではなく、誰でもバカになり得るし他者との間に存在するバカの壁を意識すると生きやすくなるし効率いいよ、そんな内容だったと思います。
 
私は別に他の人より頭が良いとか、優れた人間であるとかは全く思っていません。うまく立ち回ったことで、所得に関しては世界の上位1%に入ることができ、資産に関してはおそらく上位0.1%に入るでしょう。でもそれはいわゆる黄金の羽根を見つけてうまく立ち回っただけで、私が優秀であったからそれを達成できたとは微塵も思っていません。
 
そんなわけで特に頭がいいわけではない私ですが、仕事やプライベートでバカの壁を意識する事はまあまああります。
 
最近最も強くバカの壁を実感したのは新型コロナウイルスの論争ですね。
ネットでもリアルでも、「ぼくのかんがえたさいきょうのころなたいさく」が満ち溢れています。
 
私は医者の端くれですから、間違った感染症の知識とかトンチンカンな対策なんかみると気になっちゃうんですよね。
ただそれをネットやリアルで訂正しようとしても全然話が噛み合いません。
みな、自分が信じていること以外の情報を脳がシャットアウトしてしまっているのです。
これは無意識の脳の反応であり、養老先生曰くどうしようもない反応であると。
 
思えば新型コロナ以前から、反ワクチンとか放射脳とか代替医療とか、信者と呼ばれる人たちっていましたけど、こう言う方達に正しい知識を啓蒙しようとしても届かないんですよね。
バカの壁があるから。

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聞きたくないものは聞きたくない、興味がないものは聞きたくない。
つまり聞く準備ができていない人は無意識にバカの壁を作ってしまい、そこを他人は突破できない。
突破できるとすればそれは相手に聞く準備ができた時。
つまり相手が心から興味を持った時。
それを待つしかありません。
 
社会に出たことがない学生に、
「勉強はしておいたほうがいいぞ」
「今のうちにたくさん本をよめ」
とアドバイスしても刺さりませんし、
 
健康な喫煙者に
「癌になるよ」
「長生きできないよ」
は刺さりませんし、
 
感染症のリアルな怖さを体験していない人に
「感染したら大変だよ」
「患者が増えるときはあっという間だよ」
と言っても刺さりません。
 
 
でも相手が準備できるまでまつ余裕がない時もありますよね。
コロナ対策とかもそうですけど。
そういう時はどうしたらいいんでしょう。
 
興味をもつように、そっと仕組みを準備するしかないんだと思います。
動物を狩る罠を仕掛けるように。
 
病気であれば、実際にその病気で苦しんでいる患者の姿を見せるとか。
 
あぁ、でもそういえば肺癌患者の写真をタバコのパッケージに載せても喫煙率って下がらないんでしたっけ。
写真を見たストレスで余計に吸ってしまうとか。
写真の情報も脳がシャットアウトするでしょうね。
 
それほどにバカの壁は高い。
 
結論、バカには関わらないのが一番。
悲しいけれどそれが最も生産性が高いということになりますね。
 
でも自分にもバカの壁はあるわけで、「これはバカの壁では?」と自問しながら生きていく必要があるなとも思います。