勤務医は業務委託契約を結ぶことができるか

貧乏はお金持ちを読んで、私はこれが自分のフリーランス生活に生かせないかどうかを真剣に考えました。


フリーランスになるとサラリーマン勤務医をしていた頃と比べて約3から4倍の稼ぎを得ることができます。
ただそれにつれて納める税金と社会保険料は3倍ではききません。


私の場合ですと5倍以上の税金と社会保険料を支払う羽目になりました。


年収18,000,000円を超えたあたりからは所得税と住民税合わせて約50%が徴収されてしまうため、3歩進んで2歩下がる感じです。

なんだか働いているのが馬鹿らしくなるような毎日でした。


もちろん脱税をすることはできません。
よくバイト先のいくつかを確定申告しない人がいますが、こういう初歩的な脱税はセンスが悪いです。

万が一税務調査を受けて、重加算税延滞税などでサラ金並みの利息で追徴課税を支払うことになってしまいます。


貧乏はお金持ちでは、普通のサラリーマンは勤め先を退職して法人を立ち上げ、業務委託契約を結びます。


その後はそれまで給与としていてもらっていた金を法人への報酬として受けとり、法人でできる限りの経費を使った後に最低限の役員報酬を法人から自分に支払います。

経費としては、家賃や車、パソコンや外食費など個人では絶対に経費として認められないものも法人だと経費として認められます。

その幅が格段に大きくなるため節税効果が極めて高いです。


もちろん給与ではなく法人として報酬を受け取る場合にはいくつかクリアしなければいけない条件はあるのですが、終身雇用から外れる覚悟さえあれば特段難しい方法ではないと思います。
医者はもともと労働組合がないところが多く、終身雇用の恩恵は受けていないですしね。
 
さて、ここで法人として奉仕を受けるにあたって名超えなければいけない壁を下記に列挙してみましょう。

 


①会社への属性
その会社の仕事を行う場合、その会社の承諾を要するかどうか


②業務の裁量権
個々の作業について指示を受けるか、その人の代わりに他人へのアウトソーシングが許容されているか


③勤務形態
勤務時間、勤務場所の拘束を受けるか


④支払形態
・定期の月額払い等によるものか、または完成従量によるものか
定期昇給・退職金の支給等の取り決めの有無
・残業手当等、賞与支払いの取り決めの有無
・タイムカード、出勤簿管理の有無
・請求書発行の有無
・支払日が会社の従業員への給与支払い日と同じか、外注先に支払う日と同じか


⑤福利厚生面
社会保険の加入・厚生施設の利用など、従業員との取扱いに差があるか
・忘年会などに出席して会社負担になっているのか、自己の負担によるか


⑥その他
・原材料・作業用具の支給状況、経費の負担状況
・引渡し未済品の不可抗力により滅失の場合の、その報酬請求権

 

 

いかがでしょうか。


普通の会社に勤める営業職であればこれらの問題点をクリアすることはさほど難しくありません。
しかし勤務医の場合、病理や放射線科などの1部の診療科を除いて、病院に行って患者を診察検査治療しなければなりません。

その性質上、どうしても病院に時間的空間的に拘束されます。これが法人として業務委託をする場合に非常に大きな問題になります。


なぜなら病院に時間的空間的拘束を受けると税務上は病院に雇用されていると言うことになるため、法人への報酬ではなく個人への給与であると税務署に判断されるためです。
個人の給与として判断されてしまうと、当然経費が使えなくなり普通のサラリーマンと同様に所得税や住民税がそのままかけられてしまいます。
法人を立ち上げるために費やした金銭的時間的コストはすべて水の泡になってしまいます。


ここをどうやってクリアしていくか。


私も頭を悩ませました。